阪神間モダニズム(その16) 〜古塚正治特集〜 2013/9/7
(阪モダコンプリスト更新!)
jpeg 【阪急塚口駅】
さぁ9月最初の土曜日。8月24日の大雨以来、すっかり涼しくなった関西です。涼しくなったので徒歩のお散歩をしましょう!
この写真は8/13〜14の阪モダスペシャルのときに撮った六甲山ホテルですよね。これ「古塚正治」(ふるづか まさはる 1892年 - 1976年)さんという 阪神間モダニズムを代表するような建築家の作品です。早稲田の建築学科を1915年に卒業後、1923年に西宮で建築事務所を開業され、阪神間にモダンな 建築を残された方です。今日はこの方の特集です。
jpeg 【阪急塚口駅】
今日は阪急電車塚口駅からスタート。古塚正治さんの作品を巡るには阪急神戸線,今津線,宝塚線を使います。これ、ラノベ作家・有川浩さんの作品 「阪急電車」の舞台ですよね。ちょうどエジプトで一緒にラクダに乗った方のブログでこの本を褒めてられたので、ついでに同時進行でこの物語の舞台を 紹介しましょう。写真の阪急塚口、本には出てきます。映画には出てこなかったですが。女子高生が話すスーパーはダイエーです。写真の反対側にさんさんタウンというダイエーと専門店街があります。
jpeg 【雲雀丘花屋敷】
阪急宝塚線にある「ひばりがおかはなやしき」駅にやってきました。この駅は大正時代に開発され、名前のとおり高級住宅街が広がる阪神間でも屈指の「お屋敷街」です。
jpeg 【旧安田邸】
花屋敷駅のすぐ横にあるお屋敷、旧安田邸です。1921年(大正10年)製。もと所有者の安田辰治郎さんが海外から帰国後、その印象をもとに 設計されたそうです。とてもモダンな建物。現在は宝塚市所有なのだそうですが、使われていないので痛んでいくのが早そうです。カフェとかにしたら 良いと思いますがいかがでしょう!?
jpeg 【正司家住宅洋館】
旧安田邸から少し山手に行くと「正司家住宅洋館」がありました。1918年竣工の洋館です。設計は六甲山ホテルの古塚正治さんです。 屋根のラインが凹型に湾曲していたり、柱が濃い茶色のむき出しだったり。確かに六甲山ホテルと共通したイメージがありました。ここ、大阪平野を見渡せる 高台で、ロケーションも最高!こんなところに住みたいなぁ。
jpeg 【宝塚図書館】
花屋敷から宝塚へ阪急電車宝塚線で戻りました。途中、清荒神駅を過ぎた南側に宝塚の図書館があります。 「阪急電車」の物語はこの図書館から始まるんでしたよね?確か。
jpeg 【花のみち】
宝塚駅から今津線です。片道15分の奇跡の始まり!? でも、あえて電車に乗らずに宝塚南口まで歩きます。宝塚→南口間は 花のみちで散歩できるし、旧宝塚ファミリーランドの痕跡を確認したり関学の初等部を見たりして楽しいのです。
jpeg 【宝塚大劇場(バウホール)】
阪急といえば阪急百貨店と宝塚歌劇ですよね。小林一三さんが築いた阪神間モダニズムの代表です。 小林一三さんへの思いをここで語りだすと終わらないので、またの機会に特集します。
jpeg 【宝塚大劇場(バウホール)】
一部工事中だったのですが、そのバリケードに歌劇の歴史が描かれていました。1914年なんですね。まさに阪モダ時代。私たちが 興味を持っている時代です。
jpeg 【手塚治虫記念館】
途中、宝塚出身の漫画家、手塚治虫さんの記念館があります。立派なフェニックス像があります。
jpeg 【武庫川『生』】
さ、武庫川を渡りましょう。阪急電車の橋の3本あるうちの真ん中の橋柱の後ろに『生』の文字が 見えます。
jpeg 【武庫川『生』】
分かりにくいので拡大。でもここ数日の大雨でかなり崩れた模様。
jpeg 【武庫川『生』】
んー、微妙。昔(2011.2.27)にお散歩した時の写真を載せておきます。上の写真はかなり崩れてますね。でも今でもあることは 確認できました。「阪急電車」の物語の肝ですよね。これ。
jpeg 【宝塚南口】
橋を渡りきると南口です。阪急電車を足にしている地域では「南口」といえば宝塚南口、「北口」といえば西宮北口のことです。 待ち合わせは「北口の南口な」といったら「西宮北口の南改札口な」という意味です。では「南口の北口な」といわれたら?
「宝塚南口の北改札口な」と、言いたいところですが南口には北改札口はありません。改札は一カ所だけです。
jpeg 【宝塚ホテル】
南口のすぐ横に宝塚ホテルがあります。このホテルも「古塚正治」さんの設計。1926年製。
jpeg 【宝塚ホテル】
このホテルも「阪急電車」の物語の肝ですよね。主人公?が結婚式に白ドレスで行ったり、大阪のおばちゃんがランチ食いにいったりでしたっけ。 我々もここでランチしました。
jpeg 【宝塚ホテル】
わ、昼間っからボトルワインやっちゃった。いけませんねぇ。
jpeg 【宝塚ホテル】
ここのランチはオードブルやデザートがビュッフェ形式です。
jpeg 【宝塚ホテル】
おー、ママうれしそう!
jpeg 【宝塚ホテル】
あー、お腹いっぱい。いけませんねえ。
jpeg 【宝塚ホテル】
食後に建物を再確認。これがメインですからね。だいぶん黒く汚れてきてますな。
jpeg 【小林駅】
阪急小林駅。ここ、「阪急電車」の物語でもなぜか登場します。なんか落ち着く?駅だったかな? ツバメの巣の話は本当で、今は時期が違うけど巣を保護する仕掛けはちゃんとあります。写真クリックで 拡大していただくと、「電」の看板の下、蛍光灯と干渉するあたりにあります。 駅近くのこじんまりしたスーパーもちゃんとあって、それはフレスコです。
(この写真も2011.2.27にお散歩した時のもの)
jpeg 【西宮北口】
今津線は宝塚→今津の路線。昔はつながっていました。以前にも弊ブログで紹介したダイヤモンドクロスで 神戸線と平面交差していたのです。今は安全のため、北口で切断されています。なので北口で乗り換えて 今津(南)線へ徒歩で行きます。
jpeg 【西宮北口】
今津(南)線到着です。この路線は西宮北口→阪神国道→今津という3駅の盲腸線。阪神国道は国道2号線に面した駅です。 昔はここに阪神電気鉄道運営の路面電車が走っていたのです。
jpeg 【今津駅】
阪急電車と阪神電車、今では同じ経営です。この2路線がリンクするのは梅田と三宮、そしてこの今津です。 阪急沿線に住んでいる人が甲子園球場に阪神タイガースを応援に行く際にはこの駅を通過するのです。
jpeg 【旧八馬汽船株式会社 多聞ビルディング】
今津から少し歩いて旧八馬汽船株式会社 多聞ビルディングへやってきました。これも今日のテーマである古塚正治さんの作品。 今は倉庫状態で、草が生えていたりちょっと残念でした。1928年製。
jpeg 【西宮市役所】
多聞ビルから少し北上すると西宮市役所があります。ここにも古塚正治さんの作品があったそうですが、今はありません。
jpeg 【旧尼崎市立開明小学校】
市役所からすぐのとことにこの小学校跡地があります。ここの塀には太平洋戦争末期の機銃掃射による弾痕が残っています。こわっ! でもこれ、1945年頃の話。阪モダよりも後ですよね。そんな最近の話だと思うとなんか悲しいです。
jpeg 【尼信記念館】
西宮市役所から阪神電車に乗って阪神尼崎駅へやってきました。駅から南西にすぐのところに寺町という地区があります。 そこにこの尼信記念館があります。旧安田邸と同じ1921年(大正10年)製。尼崎に現存する数少ないレンガ造りの 建物です。こないだ紹介したユニチカ記念館も尼崎に現存するレンガ造りの建物でしたが、あちらはイギリス積みです。 こちらは長手積みでした。アーチ窓が印象的です。
jpeg 【尼信・世界の貯金箱博物館】
すぐ横に世界の貯金箱博物館があります。世界の貯金箱が展示されている博物館です。
jpeg 【尼信・世界の貯金箱博物館】
なんや、貯金箱か、と思ったら大間違い! 貯金箱は世界の歴史や風俗を表しています。
jpeg 【尼信・世界の貯金箱博物館】
尼信の方が世界中の貯金箱をもとに世界を語ってくださいました。マジ感動。 約1時間にわたって脳内に直接、貯金箱視点からの世界観を叩き込まれました。 すげぇ楽しい1時間でした。こんな講義を昔に受けていたらもっと世界史が 楽しかったに違いない!ありがごうとうございました!マジおすすめ。
jpeg 【尼信・世界の貯金箱博物館】
クルマが2台買えるぐらいの値段がするそうです。これらの貯金箱一個で! 確かにそうでしょう。100年以上前のとてもレアなそれらです。しかも 凝ったギミックが完動状態で保存されています。
jpeg 【尼信・世界の貯金箱博物館】
帰りにはお土産までもらってとても有意義な一時間を過ごさせていただきました。 実はこの建物が「古塚正治」さんの作品です。1930年製。
jpeg 【寺町】
阪神尼崎駅近くの古い街並。阪神尼崎といえば商店街とか、わりとごちゃっとした 印象ですが、こんな歴史街道もあるんです。この話はまたこんど。
jpeg 【東洋精機株式会社本館事務所】
阪神尼崎から23系統のバスに乗って『小田地区会館』というバス停で降ります。 JR尼崎駅からすぐのところ。ここに東洋精機株式会社本館事務所の建物があります。 さすがにもう17時をまわっていて門より中には入れませんでした。
jpeg 【東洋精機株式会社本館事務所】
このたてものも「古塚正治」さんの作品です。
jpeg 【JR尼崎】
これで古塚さんの特集もおしまい。なんと一日でコンプリートできました。計画では おそらく無理で、後半の二つぐらいは明日の日曜日にクルマで行くか、と思っていました。 でも涼しいので体力も持ってクリアできましたーっ。
日銀の辰野金吾さんや、甲子園ホテルの遠藤新さんにくらべたら地味かもしれませんが、 今津線沿いの甲東地区で活躍された古塚さんの功績は100年近く経ったいまでもしっかり 感じ取ることができましたよ。関西人として古塚さんの作品はちゃんと残していかねば ならないことを改めて実感しました。
あー、今日も終わり。雨が降ったりやんだりの一日でしたが、涼しくって朝から晩まで 元気に遊べました。夕食は駅前で焼き鳥。美味しいビールで打ち上げです。 ママ、今日も濃い一日やったなぁ、おい。などと一日を思い出しながら。
jpeg 【JR猪名寺】
我が家はJRだとこの駅から歩いて帰るのですが、とてもローカル駅なので 各停しかとまりません。でも今日は特別に快速が停車してくれました! 拡大して電光版をご覧ください!奇跡的!
でも車内の電光版は 混乱していて、「川西池田」と表示されていました。快速は尼崎を出ると「伊丹」→「川西池田」 の順でとまります。今日は電車の遅れから各停状態でしたので、尼崎から「塚口」→「猪名寺」と 各駅停車でした。ほー、車内の電光版は止まった順に表示するだけのロジックなん?結構単純やねんな。 (阪モダコンプリスト更新!)

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